高麗人参で高血圧が改善できる理由とは?サポニンの血圧調整作用

高血圧の危険性

そもそも「血圧」とは、血液が血管壁にかける圧力がどれだけ強いかということ。心臓がギュッと収縮して血液を押し出すときの血圧を「最高血圧」「上の血圧」、血液が戻って来て心臓が膨らんだときの血圧を「最低血圧」「下の血圧」などと区別しますね。

血圧が高いということは、この血管壁にかかる圧力が非常に強い状態です。これが慢性化すると「高血圧」ということになりますが、高血圧には日本高血圧学会が定めた3つの段階があります


I度高血圧・・・最高血圧140〜159mmHg、最低血圧90〜99mmHg
II度高血圧・・・最高血圧160〜179mmHg、最低血圧100〜109mmHg
III度高血圧・・・最高血圧180mmHg以上、最低血圧110mmHg以上


度数が上がるにつれて危険度が増していき、脳卒中、心臓病、慢性の腎臓病といった深刻な病気にかかるリスクを高める要因となっていきます。

高麗人参で高血圧が改善できるワケ

では、この高血圧を招く原因にはいったいどんなものがあるのかについて見てみましょう。「メディカルガイドブック(WEB版家庭の医学書)」には、高血圧を引き起こす要因として以下の5つが挙げられています


1. 心臓から送り出される血液量の増加(心拍出量の増加)
2. 末梢の細い動脈の血管が流れにくくなる(末梢血管の抵抗の増加)
3. 体中を流れる血液量の増加(循環血液量の増加)
4. 血液のネバネバ度が増して流れにくくなる
5. 大動脈の劣化や老化(動脈硬化)によって血液が流れにくくなる


上記の5つの要因は複雑に関連し合って発生するため、上の1〜5を引き起こす要因を作らないよう、動脈硬化や塩分過多、肥満などに気をつけなければなりません。

高麗人参が高血圧に効くというのは、高麗人参に含まれるサポニンの1つであるジンセノサイドRb2の脂質代謝を改善して中性脂肪や血中コレステロールを減少させる作用によるもの。これによって血栓や動脈硬化を防ぐことができるため、高血圧を予防・改善する効果が期待できます。

高麗人参で低血圧も改善できる?

さらに高麗人参によって低血圧の改善も期待できるという説があります。高血圧にも低血圧にも効果があるってどういうこと?と思われるかもしれませんが、その仕組みは以下の通りです。

まず、低血圧というのは最高血圧が100mmHg以下を目安として診断されます。立ち上がったときに血圧が急激に下がる起立性低血圧と、病気が原因で起こる症候性低血圧、そして遺伝的要因のものがあります。このうち、起立性低血圧は自律神経がうまく働いていないために脳の血液が不足して起こると言われており、サポニンが有効なのはこの起立性低血圧です。

高麗人参に含まれるサポニンには自律神経に作用して交感神経と副交感神経のバランスを正常に保つ働きをもっているものや、血流を改善する働きをもつものがあるため、それによって体内の隅々にまで血液が循環するようになると低血圧が改善されるのです。つまり、サポニンによって高すぎる血圧は下がり、低すぎる血圧は上がるというわけですね。