免疫力アップだけじゃない!高麗人参に含まれる「サポニン」の効果効能まとめ

サポニンとは、多くの植物に含まれる自然由来の成分で、水に溶けると泡立つという性質を持ち、古くから、起泡剤や洗浄剤などにも用いられてきました。高麗人参だけに含まれているものではなく、甘草やお茶、桔梗などの生薬にも含まれており、それぞれ異なる働きを持っているため、たとえば大豆に含まれているものは「大豆サポニン」、人参に含まれているものは「人参サポニン」と、呼び分ける場合もあります。

高麗人参に含まれているサポニンは、「ジンセノサイド」と呼ばれることもあります。高麗人参サポニンのジンセノサイドには、どのような効果・効能があるのでしょうか。

血流改善

サポニンには血管を拡張する働きや血中の血小板が凝縮するのを抑えて血液をサラサラにする作用があります。そうした働きによって全身の血行がよくなると、身体のすみずみまで栄養素を行き渡らせることができるほか、動脈硬化を引き起こすドロドロ血液を防ぐことができるため、血管を若々しく保つ効果も期待できます。また、体内のめぐりがよくなると代謝力も高まるため、どんよりと滞っていた体内が動き出すかのような活力を得ることができるようになります。また、女性の悩みとして1・2位を争う冷え症が改善されるといううれしい効能もあるのです。

免疫力アップ

サポニンには自律神経系に作用して副交感神経優位の状態にすることで、免疫力を高める効果があります。副交感神経優位の状態になると、全身をパトロールしてがん細胞やウイルス感染細胞などを見つけて攻撃するナチュラルキラー細胞(NK細胞)が活性化されることがわかっており、ウイルス性の風邪や細菌に感染しにくい身体を作ることができます。交感神経と副交感神経は交互に働くことで私たちの身体をうまくコントロールしてくれるものですが、ストレス過多によって交感神経優位の状態が続くと血行不良や肥満、体温調節の不具合などあらゆる不調を招きます。サポニンによって副交感神経優位の状態がしっかり作られると、自律神経のバランスが保たれて身体の不調も起こりにくくなるのです。

滋養強壮(疲労回復)

高麗人参は滋養強壮に効く!というのは有名な話ですが、そのメカニズムはサポニンによるストレスホルモンの分泌をコントロールする・自律神経のバランスを整えて胃腸の元気を回復する・肝臓や腎臓の機能を強化する・血流改善および造血作用によって全身に新鮮な酸素と栄養を届ける、といった多くの作用によるものです。つまり身体の基本的な機能がしっかり滞りなく働ける状態にしてくれるということですね。それによって食べたものから栄養を吸収し、酸素と共に栄養素を全身に行き渡らせるという体内のシステムがスムーズに行われるため、全身に力がみなぎって滋養強壮につながるという仕組みです。

アレルギー緩和

アレルギー反応というのは、本来病原菌や細菌など身体に害を及ぼすものが体内に侵入するのを防ぐために反応する免疫機能が、害ではないものにまで反応してしまうという免疫の過剰反応によって起こるものです。サポニンには副腎皮質ホルモンの分泌と免疫のバランスを正常に保つ作用があるため、こうした可能反応を防いでアレルギー症状の軽減に役立つと言われています。また、サポニンのストレスに対する抵抗力を高める作用もアレルギー症状の改善に役立つと言われており、多角的にアレルギー反応をブロックしてくれることが期待できます。

自律神経調整

高麗人参に含まれるサポニンには、この交感神経と副交感神経のバランスを保ち、ストレス耐性を向上させる働きが備わっています。

自律神経は、心臓、肺、胃腸、肝臓、内分泌腺、血管など、実に数多くの内臓器官に関わる重要な神経です。長時間のデスクワークや極度のストレスなどで交感神経が優位になり続けると、血管が収縮し、身体が冷えて凝り固まったり、不眠症の原因にもなりますし、消化吸収がうまく行われず、下痢や便秘、胃のもたれやムカつきなどを引き起こしやすくなります。

サポニンによる「自律神経調整作用」は、自律神経の乱れによって引き起こされる様々な体調不良の改善効果だけでなく、不安感など精神的な不調を緩和する効果にも期待が持てます。

生活習慣病の予防

サポニンには、血液中に必要以上含まれる悪玉コレステロールや中性脂肪を分解し、排泄しようとする働きが備わっています。

血液中に悪玉コレステロールや中性脂肪が増え過ぎると、血管が狭くなったり、血液がどろどろになるなどし、脂質異常症をはじめとする生活習慣病を引き起こす原因にもなり、動脈硬化のリスクを高めてしまします。悪玉コレステロールや中性脂肪は、運動不足や飲酒、喫煙、脂質の摂り過ぎや高カロリー食など、栄養過多と言われる現代人にとって、気を付けなければ誰もが当てはまってしまいそうなちょっとした習慣によって簡単に過剰になってしまいます。

中性脂肪やコレステロール値を減らし、身体の細胞が酸化するのを防いでくれるサポニンは、あらゆる病の予防に効果が期待できると言えそうです。

貧血予防

サポニンには血液を生み出すもとになる「骨髄細胞」の成長を刺激する作用も認められており、赤血球の生成をサポートする働きが備わっています。

血液の働きの中で最も重要なのは、「酸素を全身に運搬すること」です。この働きを司るのが血液中の赤血球なのですが、これが不足すると、身体に充分な酸素が行き渡らなくなり、貧血を引き起こしてしまいます。

サポニンを摂取することで、赤血球を作り出しやすくなるため、めまい、立ちくらみ、動悸、息切れ、頭痛、顔面蒼白、耳鳴りなど、貧血に伴う様々な症状の予防・緩和効果が期待できます。